BABYMETALは温室育ちじゃない──奇跡の野生原種が世界で咲いた
戦後の日本は、まさに焼け野原からのスタートでした。
街は瓦礫、工場は破壊され、物資も足りない。けれど、そんな状況から世界を驚かせる企業が次々と生まれます。
ホンダは小さな町工場から、バイクで世界に挑戦。ソニーはトランジスタラジオを武器にアメリカ市場に殴り込みました。
当時、日本製品は「安かろう悪かろう」と言われ、海外の壁はとてつもなく高かった。
でも、彼らは愚直に品質を磨き、独自の技術で世界を納得させました。
その結果、日本製品は「安いだけじゃない、信頼できる」という評価を勝ち取り、
やがてホンダはF1で勝利し、ソニーはウォークマンやプレイステーションで世界を席巻します。
令和の今、同じような物語を音楽の世界で再現しているのがBABYMETALです。
彼女たちは「メタルとアイドルを融合させる」という誰もやらなかった挑戦をしました。
日本国内でも賛否両論。「ふざけてる」「邪道だ」と言う人もいました。
それでもBABYMETALは海外に飛び出し、メタルの聖地・ヨーロッパ最大級のフェスでブーイングを浴びながらもステージに立ち続けました。
やがて観客の心をつかみ、今ではヘッドライナーとして世界中のファンを熱狂させる存在になりました。
ここで重要なのは、BABYMETALが「温室育ち」ではないということです。
広告代理店が巨額の予算でブームを作るのではなく、SNSや現場の口コミで広がっていった。
プロモーションのための“安全なシナリオ”ではなく、リアルな観客の歓声と批判の中で育った。
これはまさに「奇跡の野生原種」。
温室水耕栽培の植物は、美しく整い、虫もつかず、安全に育ちます。
でも、外の世界に出したら弱い。風に倒され、雨に打たれて枯れてしまうかもしれない。
一方で、野生の原種は環境の厳しさにさらされながらも、たくましく生き残ります。
BABYMETALはまさにその“野生原種”。批判という嵐も、SNSの炎上という雷雨も、
すべて受け止めながら花を咲かせ、世界で認められる存在になったのです。
しかも、ここで大切なのは「反対意見を抹殺しない」こと。
賛否両論があるのは健全な証拠です。
むしろ反対意見がまったく出ないとしたら、それはどこかで情報が操作されている可能性すらあります。
広告代理店が作る一方向のキャンペーンでは、ネガティブな声は排除され、
ポジティブな情報だけが流されます。でもそれでは文化は成熟しません。
寿司やラーメンだって、嫌いな人は普通にいる。
それでも文化は生き残り、進化を続けます。
ラーメンには健康志向のバリエーションが生まれ、寿司も海外ではビーガン対応が広がっています。
つまり、反対意見は文化を進化させる燃料でもあるのです。
BABYMETALも同じ。
「これはメタルじゃない」と言う人がいるから、より強いメタル曲を作る。
「アイドルすぎる」と言われれば、ライブ演出を進化させる。
批判を受け止め、成長の糧にしているからこそ、今も第一線で輝き続けているのです。
結論:
BABYMETALは、広告で守られた温室の中ではなく、
風通しのいいフィールドで戦っている。
賛否両論が飛び交う世界で、何度も試され、何度も勝ち残った“奇跡の野生原種”。
だからこそ、応援する価値があり、日本の誇りと胸を張って言える存在なのです。

コメント
コメントを投稿