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対立の先に未来はあるか――企業の発展と労働者の安心を両立させるという難題

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  選挙戦を見ていると、「どちらにつくのか」という構図が強く打ち出されている印象を受ける。成長か分配か。企業か労働者か。競争力か安定か。わかりやすい対立軸は、メッセージとしては強い。しかし本来、国の設計とはどちらかを選ぶ作業ではないはずだ。 企業の発展は、日本の土台そのものだ。たとえば トヨタ自動車 のような企業が世界で競争し、外貨を稼ぎ、技術を磨き続けることは、日本全体の体力を支えている。輸出が弱まれば、円は不安定になり、物価は上がり、私たちの生活は直接影響を受ける。企業の成長は決して一部の話ではない。 一方で、働く人の生活が不安定になれば、社会は冷え込む。雇用の不安は消費を抑え、将来への希望を奪う。安心できない社会では、挑戦も生まれにくい。企業の競争力と同じくらい、労働者の安定も重要だ。 では、どちらを優先するのか。そこが選挙の争点のように見える。しかし実際には、これは二者択一の問題ではない。成長だけを追えば分断が生まれ、保護だけを強めれば活力が失われる。振り切れば必ず歪みが出る。 思い出したいのは、創業期の 本田宗一郎 の姿だ。資金繰りが厳しく、給料の遅延があった時代でも、社員はついていったと言われる。それは単に我慢を強いたからではない。経営者自身が現場で汗をかき、明確なビジョンを示し、未来を信じさせたからだ。企業も社員も同時に苦しみ、同時に前を向いた。その結果が、後の成長につながった。 我慢そのものが美徳なのではない。我慢が未来に変わると信じられること、そして成果が分かち合われるという信頼があったことが重要なのだ。 現代は当時よりはるかに複雑だ。企業はグローバル競争にさらされ、働く人の価値観も多様化している。だからこそ、必要なのは「どちらにつくか」という対立ではなく、「どう両立させるか」という設計思想だ。 雇用の安定は土台である。しかし土台だけでは人は動かない。そこに夢やビジョンが必要だ。日本はどんな強みで世界に立つのか。どんな産業を育てるのか。どんな地域を再生させるのか。その未来像が共有されて初めて、人は一時的な負担を受け入れられる。 政治の役割は、対立を煽ることではない。企業が安心して投資でき、働く人が安心して生活できる「予見可能な環境」をつくることだ。成長の果実が偏らず循環する仕組みを整えることだ。 企業の発展も、派遣で働く人...

「補助金より、ありがとうをーコンテンツ大国・日本がやるべき本当の支援」

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  国が「ヒット」を作ろうとしないほうが、文化は育つ ―コンテンツ大国・日本が選ぶべき支援のかたち 日本のアニメや音楽、ゲームが世界で評価される時代になった。 海外インタビュー動画を見ると、「日本=アニメ」と答える人はもはや100%に近い。挨拶程度の日本語を話せる人までいるのを見ると、日本のコンテンツがどれほど深く世界に浸透しているかがよくわかる。 では、ここから先、日本はどうやってコンテンツ産業を伸ばしていくべきなのだろうか。 お金を入れすぎると、名作は生まれない? よく言われるのが、「作家やアーティストには最初から潤沢な資金を与えるべきか?」という議論だ。 しかし歴史を振り返ると、ゴッホ、J・K・ローリング、手塚治虫など、多くの偉人は決して恵まれた環境からスタートしていない。苦しみや葛藤の中で、自分と向き合い続けたからこそ、唯一無二の作品が生まれた側面も否定できない。 国家が「次のヒットを作ろう」として英才教育や巨額投資を始めると、逆に創作の自由を縛ってしまう危険もある。 野球選手を国が育てようとしても失敗するのと同じで、ヒット作品は コントロールできない のだ。 政府がやるべきは「環境整備」 では、国は何もしない方がいいのかというと、そうではない。 やるべきことはとてもシンプルだ。 生活が破綻しない最低限の保障 医療・年金・保険といった福利厚生 挑戦して失敗しても戻れる社会 いわば「文化版インフラ整備」だ。 野球で言えば、選手を育てるのではなく、 グラウンドとバットとボールを用意する 。 あとは好きな人が、好きなように夢を追えばいい。 ベーシックインカム的な発想で、アーティストが「生きる不安」だけから解放されるのも、一つの有効な方法かもしれない。 いちばん効くのは、実は「言葉」 そして、意外と見落とされがちだが、もっとも効果があるのは お金よりも言葉 だ。 もし総理大臣が、こう発信したらどうだろう。 「クリエイターの皆さん、ありがとうございます。 あなたたちの作品のおかげで、日本は世界から尊敬されています。 これからも、無理せず、でも自由に、創り続けてください。」 これだけで、どれほど多くの人が救われ、背中を押されるだろうか。 評価されない不安と孤独の中で創作している人にとって、...

お米とお箸は「文化」として守り、食料は「仕組み」で守るという考え方

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  近ごろ、食料問題や物流リスクが話題になることが増えてきた。 戦争のような極端な状況でなくても、災害や人手不足、国際情勢の変化によって、物流が一時的に機能しなくなる場面はこれからも起こり得る。 そんな中で、「何をどう守るのか」を整理して考える必要があるように思う。 まず現実論として、日常の食料供給は、必ずしもすべてを国内生産にこだわる必要はない。 世界中から食材が安定して入る今の時代、効率や分散を重視するのは合理的だ。 有事や物流リスクへの備えについても同様で、 必ずしもお米だけに依存する必要はなく、 成長が早く効率の良い作物や、山間部での魚の養殖、植物工場による自動生産など、 分散型で回復力の高い仕組み を用意しておく方が、むしろ強い。 これは「自給率」の話というより、 食料レジリエンス(止まりにくく、立ち直りやすい構造)の設計だと思う。 一方で、お米については少し違う見方がある。 お米は、日本人にとって単なる炭水化物ではない。 田植えや収穫、神事、年中行事、「ごはん」という言葉そのものまで含めて、 日本人の暮らしや精神と深く結びついている存在だ。 同じことは、お箸にも言える。 効率だけを考えれば、フォークやスプーンで十分かもしれない。 それでもお箸を使い続けてきたのは、 食材を尊重し、所作を大切にし、誰かと分け合うという価値観が、 日常の中に自然と組み込まれているからだと思う。 だからこそ、 お米とお箸はインフラとしてではなく、文化として守る。 食料供給は技術と仕組みで支え、 米と箸は精神性やアイデンティティとして次の世代へ伝えていく。 この切り分けができれば、 経済合理性と文化の継承は、無理なく両立できる。 食べ続けられる仕組みを持ちつつ、 日本人であることを思い出せる文化を残す。 それが、これからの時代にふさわしい食の在り方なのかもしれない。

冷凍技術・商社・和食教育で広がる未来モデル

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—ぼくが考える“日本の和食産業の未来企画”— 世界的な外食トレンドを見ていると、 日本食への人気がますます高まっています。 その一方で、寿司や和食を本格的に作れる人材が 世界中で不足しているという話もよく聞きます。 そんな現状をふまえて、 ぼくが最近強く感じているのが、次の4つの点です。 ① 冷凍寿司の産業化が進みつつある ② 世界的な和食職人の不足 ③ 商社による安全な日本食材の供給 ④ 和食ビジネススクールで人材育成 これらがうまく噛み合うことで、 日本発の新しい食産業が生まれる“企画の芽”があるのでは、 と感じています。 これはあくまでぼくの案ですが、 未来の日本経済にも大きく関わってくるテーマかもしれません。 ■ 1. 冷凍寿司が切り開く“和食の自動化・産業化”の可能性 日本の冷凍技術はすでに世界トップレベル。 解凍しても食感や鮮度が大きく損なわれず、 「職人が握った寿司と比べても遜色が少ない」と感じられるほど。 この技術を使うことで、 人材が不足する地域でも寿司を提供できる 品質のバラつきを減らせる ロスを抑えて利益率を上げられる 衛生基準を管理しやすい といったメリットが見えてきます。 寿司が「技術の属人化」から「技術の仕組み化」に移行する未来が、 少しずつ形になりつつあるのを感じます。 ■ 2. 世界規模の和食職人不足が、大きな需要を生むかもしれない 和食は世界中で人気ですが、 その人気に見合う数の職人がいません。 とくにアメリカでは寿司職人の賃金が高騰し、 それでも確保できないケースが増えているようです。 このギャップは、 日本の技術や教育が世界で求められている という見方もできます。 ここで後述の 「和食ビジネススクール」 の存在が 大きな意味を持ってくると考えています。 ■ 3. 商社が握る“安全な日本食材の供給網”は巨大な強み 和食の品質は、とにかく“材料と衛生管理”が命。 日本の商社は、 世界中の食品流通・温度管理・食品衛生・法規制に強く、 日本基準の安心安全をそのまま世界に届けられる体制があります。 もし商社が中心となって、 安全な寿司ネタ 日本の米や調味料 冷凍食材 出汁・調味ベース 日本式衛生基準のオペレーション ...

⚡ゾクゾクする未来 ― AIがつくるあなた専用の世界

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  ある日、ニュースで知った。 ウォルマートがOpenAIと提携して、ChatGPTの中で買い物ができるようになるらしい。 最初は「ふ〜ん、便利そうだな」くらいだった。 でも、考えれば考えるほどゾクゾクしてきた。 🛒 買い物の常識が変わる たとえば―― 👩‍🍳「お弁当の油汚れが落ちにくいんだけど、どの洗剤がいい?」 🤖「今お使いの弁当箱はプラスチック製ですね。  油落ちが良くて手荒れしにくい“〇〇洗剤”が合います。」 👨‍👩‍👧「子どもがアレルギーで柔軟剤の香りが苦手なんだ。」 🤖「無香料タイプの“△△ソフト”はいかがですか?  口コミで肌トラブルの少ない商品です。」 👩‍💻「夜にパソコンでFXをするから、目が疲れにくいデスクライトが欲しい。」 🤖「長時間作業向けに“ブルーライト軽減機能付きライト”が人気ですよ。」 こんなふうに、AIが“今の自分の生活”を理解して、 棚に並ぶ何万点もの商品の中から、ぴったりの一つを選んでくれる。 もう「どれがいいかわからない」と迷う時間がなくなるんです。 🧠 サム・ウォルトンのDNAは生きている ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、 「お客様のために、変化を恐れず挑戦せよ」と言った。 安く売るだけではなく、 テクノロジーで暮らしを良くする 。 今回のAI連携は、まさにその精神を現代に受け継いでいる。 🏡 不動産でも同じ未来が来る この考え方は、不動産にもそのまま当てはまる。 「夫婦共働き」「子ども2人」「たまに祖父母が泊まりにくる」 そんな情報をAIに伝えるだけで―― 🤖「通勤と学校を考えると神戸市北区が最適です。  10年後の修繕費は約150万円、光熱費は年間12万円程度です。」 暮らしを丸ごと提案してくれる“AI不動産”が、すぐそこまで来ている。 🌏 “あなた専用の世界”が始まっている これからは、みんなが同じ商品を見ていた時代が終わる。 AIがあなたを理解して、 あなた専用のウォルマート・Amazon・不動産サイト を作ってくれる時代。 「人の数だけ、AIショップがある」 それは、テクノロジーが人間を置き去りにする未来ではなく、 人に寄り添う未来 の始まり。 そして、その未来を想像するたびに―― 僕は、ゾクゾクしてくる。

🐛ある日YouTubeで偶然見つけた ― ひよりちゃんが教えてくれた、日本の未来

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ある日、YouTubeで偶然見つけた動画があった。タイトルは「ひよりの虫日記」。高校生くらいの女の子が、野原で虫を見つけては、うれしそうに紹介している。派手な演出も音楽もない。けれど、不思議と目が離せなくなった。 その女の子こそ、奈良県出身の女優・ 片田陽依(かただ・ひより)さん 。彼女は虫が大好きで、芸能活動を始めた理由も「虫の魅力を世の中に伝えたい」という思いからだという。その素直な語り口に、心の奥がじんわり温かくなった。 🐠さかなクンに通じる好きの純度 彼女を見ていて思い出したのが、 さかなクン だった。魚が好きで、描いて、調べて、話し続けた人。お金のためではなく、「純粋に魚を知りたい」という情熱で人生を形づくってきた。 ふたりに共通するのは、「好きの純度」の高さ。誰かに褒められたいからやるのではなく、好きだからやめられない。その姿は、見ている人に“好きでいいんだよ”と勇気をくれる。 🧪ノーベル賞を生むのも、結局は「好き」 日本が人口に対してノーベル賞受賞者が多いのは、制度でも教育でもなく、好きに夢中になれる国民性があるからだと思う。 最先端の研究も、最初は「なんでこうなるんだろう?」という好奇心から始まる。つまり、ノーベル賞の原点も「好き」だ。 虫を追いかけるひよりちゃんの姿は、まさにその“探究の芽”そのもの。もしかしたら、彼女の動画を見て、未来の科学者が生まれるかもしれない。 🌸本当の幸せとは お金ではなく、夢中になれるものがあること。それこそが、本当の幸せ。 さかなクンも、ひよりちゃんも、成功を結果としてではなく、生き方として体現している。誰かに言われたからではなく、自分の心が導く方向へ。その姿勢が、見る人に希望を与える。 🌏日本の未来は、“好き”がつくる AIが進化し、効率が求められる時代に、「好きなことをとことん続ける人」は、むしろ希少な存在になりつつある。けれど、そういう人がいる限り、日本は強い。 虫を追いかけるひよりちゃん。魚を語るさかなクン。未知を探る研究者たち。 彼らが教えてくれるのは、 未来は好きの力でつくられる ということだ。

BABYMETALは温室育ちじゃない──奇跡の野生原種が世界で咲いた

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  戦後の日本は、まさに焼け野原からのスタートでした。 街は瓦礫、工場は破壊され、物資も足りない。けれど、そんな状況から世界を驚かせる企業が次々と生まれます。 ホンダは小さな町工場から、バイクで世界に挑戦。ソニーはトランジスタラジオを武器にアメリカ市場に殴り込みました。 当時、日本製品は「安かろう悪かろう」と言われ、海外の壁はとてつもなく高かった。 でも、彼らは愚直に品質を磨き、独自の技術で世界を納得させました。 その結果、日本製品は「安いだけじゃない、信頼できる」という評価を勝ち取り、 やがてホンダはF1で勝利し、ソニーはウォークマンやプレイステーションで世界を席巻します。 令和の今、同じような物語を音楽の世界で再現しているのがBABYMETALです。 彼女たちは「メタルとアイドルを融合させる」という誰もやらなかった挑戦をしました。 日本国内でも賛否両論。「ふざけてる」「邪道だ」と言う人もいました。 それでもBABYMETALは海外に飛び出し、メタルの聖地・ヨーロッパ最大級のフェスでブーイングを浴びながらもステージに立ち続けました。 やがて観客の心をつかみ、今ではヘッドライナーとして世界中のファンを熱狂させる存在になりました。 ここで重要なのは、BABYMETALが「温室育ち」ではないということです。 広告代理店が巨額の予算でブームを作るのではなく、SNSや現場の口コミで広がっていった。 プロモーションのための“安全なシナリオ”ではなく、リアルな観客の歓声と批判の中で育った。 これはまさに「奇跡の野生原種」。 温室水耕栽培の植物は、美しく整い、虫もつかず、安全に育ちます。 でも、外の世界に出したら弱い。風に倒され、雨に打たれて枯れてしまうかもしれない。 一方で、野生の原種は環境の厳しさにさらされながらも、たくましく生き残ります。 BABYMETALはまさにその“野生原種”。批判という嵐も、SNSの炎上という雷雨も、 すべて受け止めながら花を咲かせ、世界で認められる存在になったのです。 しかも、ここで大切なのは「反対意見を抹殺しない」こと。 賛否両論があるのは健全な証拠です。 むしろ反対意見がまったく出ないとしたら、それはどこかで情報が操作されている可能性すらあります。 広告代理店が作る一方向のキャンペーンでは、ネガティブな声は排除され、 ポジティブな情報だ...